けいと の*日記*

ブログ初心者による、雑貨作りのあれこれと日常の色々。

映画「殿、利息でござる!」をみた。

鑑賞・感想 映画・DVD
tono-gozaru.jp

「殿 利息でござる」をみた。


≪バカとハサミは使いようで切れる≫と言うことわざがあるけれど、
「殿、利息でござる!」のキャッチコピーは、
≪ゼニと頭は、使いよう。≫です。

この「殿 利息でござる」という作品は、今から250年前にあった実話「國恩記」という古文書に基づいて作られた作品です。

あらすじ

舞台は1766年(明和3年)の仙台藩領内の宿場町・吉岡宿。仙台藩の宿場町には宿場町間の物資の輸送を行う「伝馬役」が役目として課せられており、通常は藩より宿場町に助成金が支給されているのだが、吉岡宿は藩の直轄領ではないため助成金が支給されていなかった。
 このため、伝馬役にかかる費用は全て吉岡宿の住人が負担して町は困窮し、破産者夜逃げ者が相次ぐ有様であった。
 このような町の有様を案じていた造り酒屋の当主・穀田屋十三郎は、町の窮状を訴えるため、代官に訴状を渡そうとするが、京から帰ってきたばかりの茶師・菅原屋篤平治に命が危険であると止められる。
 ある日の晩、未亡人ときが営む煮売り屋「しま屋」で篤平治と偶然一緒になった十三郎は、吉岡宿を救う手立てが何かないか相談する。
 篤平治が出した策は、吉岡宿の有志でお金を出し合い藩に貸して利息を取り、それを伝馬役に使うという奇策であった。
 百姓がお上にお金を貸すなど、案を出した当の篤平治ですら夢物語と言うほど現実味がない策のように思われたが、十三郎は策の実現のため、同志集めとお金集めに動き出す。
殿、利息でござる! - Wikipediaウィキペディア「殿、利息でござる!」より


「殿 利息でござる」のキャスト陣が凄い!


阿部サダヲさんが主役の穀田屋十三郎に、
京から帰ってきた知恵者の菅原屋篤平治役を瑛太さん、
十三郎の弟を妻夫木聡さん、
十三郎の父浅野屋甚内役の山崎努さん
出演者の名前を聞いただけで面白そうだと思った。
阿部サダヲさんが妻夫木聡さんの兄って、お笑いとシリアスとで大丈夫かなとちょっと思ったけど、作品的にはシリアス寄りの若干笑いありってところだった。
阿部サダヲさんが死にかけるところがハラハラさせる見せ場かな。

見栄っ張りで、他人に金を使うのをしぶる両替屋遠藤寿内役の西村雅彦さんは、往生際が悪くて、そこも笑うポイント。

煮売り屋(食事処とか飲み屋みたいなところ)「しま屋」の女将とき役の竹内結子さんは、唯一女性でかなり画面に出てきた人で、金策にも力を貸してくれる。サッパリしていて粋な感じで色っぽい。

宿場町・吉岡宿の肝煎(きもいり)という村のまとめ役の寺脇康文さん、その上の役職の大肝煎(おおきもいり)の千坂仲内役の千葉雄大さん、どんどん上の役職の人を巻き込んで、殿に貸し付け大作戦をするけど、
嫌な感じの仙台藩の財政担当の松田龍平さんが、サクッと却下。イヤ~な男役をサラッと演じていて、淡々とした松田龍平さんの持ち味が出ていると思った。

フィギュアスケート羽生結弦さんが映画初出演を果たし、仙台藩のお殿様役で、演技も堂々としていて良かった。ちょこっとしか出てないけど、インパクトのある役だった。ファンの取り込みを狙ってるんだろうだけど、お殿様姿が見たいって人は結構多いと思う。散財するお殿様役なんだけど、悪く撮ってないんだよね、善良なる殿のイメージしか残らない。脚本家や監督の描き方や羽生さんのイメージ力が凄い。
f:id:cygnuscygnus1758:20160625200909j:plain

「殿 利息でござる」の感想

あまり書くとネタバレになりそうだけど。

親子・兄弟・結束って感じがした。
主役の穀田屋 十三郎(阿部サダヲ)さんは長男だけど、養子に出された。
実家を継いだ優秀な弟、浅野屋 甚内(妻夫木聡)さんの事を意識していた。
妬みとか羨望とか、自分が父親に認められなかったことに対する悔しさや、自分への劣等感。
そんな思いを抱いており、兄弟は疎遠だった。
実際は弟は優秀だから実家を継がせたわけでなく、弟の方に問題があって養子に出せなかったのだ。
自分のせいで、家を継ぐはずの兄が養子になってしまったと、兄に対して罪悪感を感じている弟。
この兄弟のすれ違いが見どころのひとつ。
十三郎が父や弟の真意を知るところは感動の場面だった。

私財を売り払ってまで吉岡宿を救おうとする父に反発する十三郎の息子音右衛門(重岡大毅)さんにも注目だけど、
十三郎と父の関係も注目だ。

十三郎は7歳(だったか?)で養子に出されたが、実の父親の浅野屋甚内(山崎 努)さんに子供のころ本の読み聞かせを弟と並んで受けていて、十三郎は自身の事を、すぐに遊んでまじめに勉強出来ない子だったと言っていた。
けれども、父からの教えは十三郎の中に染み込んでおり、
また、弟の甚内も父の遺志を継いで、ケチでしみったれな金貸しと言われながらも財を蓄え、父の教えを守っている。
弟不在の理由を兄が言い当てる場面では、父と兄弟が同じ方向を向いている感じがすごく良かった。けど、生命の危機が…松田さん怖いよぉ(/ω\)

百姓がお上にお金を貸す奇策に必要な額は、千両(約3億円)と、大金だ。
(10%の利息で貸して毎年約3000万円の利息が入る計算。)
宿場の旦那衆を説得し、必死の節約を重ね、 家財も投げ打って金策に奔走する。
そして仙台藩の財政担当の萱場 杢(松田龍平)さんの了承を取り付けようと皆が頑張る。
皆が、困窮して夜逃げが多発する宿場町を救おうと団結し、各々の立場で策の成就に尽力する。
とにかく美談だ。

普通この策を思いついても、お上にお金を取られるだけで、寄付と同じ扱いをされて利息何それ、寄進だろとか言われて散財した挙句、家も畑も店も売り払った後で何も残らないって事になりそう。あと誰も元本の返済のことを言ってないんだけど、やっぱり取られたんだろうなとか、ちょっと斜めに見てしまったりもしたけどね。

穀田屋十三郎の流れをくむ酒屋さんは今も、酒の穀田屋として残っている…ってところで、なんか良いなぁって思った。


けいと(*゜v゜)ノ の 日記
最近の記事はこちら↑